「固定ギア」という自転車を知っていますか? フリー機構と呼ばれるペダルを止められる機構が無い自転車の事です。 でも、こう説明しても多くの人は意味が分からないと思います。
そう、フリー機構が当たり前になっているので、そのメカニズムを意識していないわけです。極端な話「ペダルを後ろに回せば自転車はバックするが、単にやったことが無いだけ」と言う意識かもしれません。
そんな人も、自分や周りの自転車を借りて、走行中にペダルを逆に回してみて下さい。多分と言うか絶対に「カリカリ」と音が出て何も起こらないです。
固定ギアの自転車にはそのカリカリがありません。走行中に足を止めると足が持ち上げられた感じの不思議な体験をするはずです。
今回買った RockBikes の Rizer (ロックバイクス・ライザー)は見た目は昔のMTBのようなデザインです。 軽くスロープしたトップチューブと、ベントしていないフロントフォーク、少し太めのパイプ、タイヤはやや太い控えめのブロックタイヤです。
そのスタイルにロウフィニッシュ(Raw Finish)と言う鉄の素地にクリア塗装だけの仕上げが行われています。これが、鉄や素材が好きな人にはうれしいと考えます。溶接跡も「綺麗に」見ることが出来ます。
この自転車はフリーと固定を選ぶことが出来るので、初挑戦の固定ギアにしてみました。多分この自転車ではフリーは使わないので速攻でハブから外しています。
固定ギアにした感想は、思ったより違います。まず、ペダルを逆向きに踏む混むことは慣れていないとできません。フリー機構が付いたうえでの空転は誰でも出来ますが、力を加えるのは無理なわけです。
下り坂もエンジンブレーキやダイナミックブレーキみたいに、ペダルに逆向きの力を加えればゆっくりと走行できるのも誤解です。 そう、理屈では出来るが、実際には出来ないという事です。
平坦な道でも、思いっきり走った後で力を抜くと、不意打ちを食らったような感覚があります。
ただ、気を付けて乗車すれば安全と言うか普通の自転車と変わらないです。体は子供の時からフリーギアに慣れているので、ゆっくりと慣れていけばよいと考えます。いわゆる小脳と言うかバランスとか癖とかを覚えるのと同じで気長に取り組みたいと思います。
ちなみに、子供の時から固定ギアだけに乗っていれば特に違和感はないと感じます。ただ、余談ですが、自転車競技や競輪の選手って、普通の自転車に乗るときは違和感があるのだろうかと思います。 固定とフリーの両方に乗るのは器用な感じがします。
私は不器用なので、Rizer以外の別のシングルスピード自転車も固定ギアを手配中です。持っている自転車二台を固定にすれば脳は安心だと考えます。
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これが外したフリーギアです。とりあえず、パーツ入れに保管しておきます |
Rizerには固定ギアは付属していますが、多くのシングルスピード自転車には付属していません。この場合は 固定ギアとロックリング、スプロケット戻しと呼ばれる工具が必要です。固定ギアは自転車店に嫌われるので、取り付けは自己責任の上で自分で行ってみて下さい。
あと、フリーが無いと走行中やメンテナンス中にチェーンに指が挟まれると大けがすると言われています。 そのため、清掃やメンテナンスの時はチェーンを動かさずに行ってください。 あと、子供とか不慣れな人が回して遊ばないようにクランクが回らないようにしておくことを強く推奨します。 後輪は浮かせない、リアブレーキを握ったままロックしていく、後輪を施錠して置く、チェーンを外しておくなどの対策が必要です。
固定ギアを取り付けるためには、固定ギア以外に、ロックリングとスプロケット戻しと言う工具が必要です。
スプロケットは時計方向で締まります。ロックリングは反時計方向に締まります。ロックリングは絶対に取り付けてください。取り付けないと、ペダルを反対方向に回したときにスプロケットが外れ事故になります。 ロックリングが付けられないハブは固定ギアに対応していません。