以前にiDeCoを運営する『国民年金基金連合会』の『確定拠出年金部』から『個人型年金の記録について』という案内が来ました。内容は
不整合が生じましたので、個人型年金規約に基づき、掛金の引落を一時停止させていただく事になりました。という案内です。
ただ、国基連からの案内では「理由:01.個人型年金へ申請した被保険者種別、または企業年金等加入状況が相違しているため」ということで詳細が分かりません。
私のiDeCoを運用している金融機関に問い合わせたところ、「厚生年金に入っていることで申し込んでいるが、現在は厚生年金資格が喪失している」ということでした。もちろん、私は厚生年金資格は継続しています。また、年金事務所に問い合わせをしたところ、厚生年金は継続しているとのことでした。
この状態で考えられるのは、「年金事務所で確認すると、厚生年金は継続している」しかし「国基連で確認すると厚生年金は喪失している」という状態です。同じデータを外部のコンピュータから照会すると違う結果を出力するという意味です。これは非常に怖いです。
次に、国基連にこの事を伝えると、「年金事務所に連絡して「本体異常」を修正して欲しい」と言われました。ちなみに「本体異常」という言葉は内部用語で通じるとのことでした。
最後に、年金事務所に「本体異常」の修正を伝えると意味がわからないとのことでした。ただ、年金事務所と国基連との間で問題があるということは認識され回答待ちということになりました。
その後、金融機関から電話があり、国基連のミスであることの連絡を受けました。とりあえず私個人としての問題はこれで解決したので良かったですが、システム改修の被害を受けてみると非常に怖い事が分かりました。
技術的な考察
実は私の年金情報は一部難がある部分があります。詳細は伏せて説明します。まず、私の年金データのレコードは以下のような形と予想されます。
この様な形だと予想されます。現在の会社は「会社B」であり、途中で『会社Z』に三週間程度入社したことになっています。このデータでは07年に『会社A』と『会社Z』の厚生年金を重複して入っているということになります。データ2は現在の会社でまだ退社していないので退社日フィールドは無効という意味でnullとしました。
予測されるバグは、現在の加入状況を確認するために、最新のレコードの喪失日フィールドがnullであれば厚生年金加入中で、そうでなければ構成献金資格喪失という判断をしていると考えられます。
これって、システム屋がよく行うミスの一つです。本来であれば少なくとも1つのレコードの喪失日のフィールドがnullであれば資格は継続中だと判断するべきだと考えます。
あと、この問題は誰にあったかも不明です。誰というのは「どこがデータを見てTrueかFalseを出したかです。年金事務所が解釈して国基連に結果を投げているのであれば年金側が悪く、年金側はテーブルを公開しているだけで、その解釈が国基連であればそちらが悪いということです。
別の観点では、ねんきん定期便やねんきんネットで検索できる履歴では今回の『会社Z』は表示されません。だから、ねんきんネットや定期便をどれだけチェックしても今回の問題はわからないと考えます。
SQLとかDBとかという観点で考えると面白いトピックですが、食らった私にとっては全く面白くありません。
国のシステムのバグ対応
まず、このようなことが起こった場合は一人が苦情を入れても全く対応はされません。それぞれの部門の担当者はマニュアル通り正しいことをやっている訳だから誰も間違っていないという認識です。
自社システムなら、詳細なバグレポートでも書けば調査されます。しかし、国レベルのシステムに対してバグの報告などしても誰も聞いてくれません。
だから、とりあえず問題があることを関係ありそうな窓口に報告して結果を待つしかありません。
群集心理と言うか数の原理で多くの不具合報告がされれば、今回のように自然に対応されて問題は解決するのではと考えます。