110話と長いアニメ版『銀河英雄伝説』には生活上や歴史上で遭遇する色々なことを網羅しています。 このエントリーでは私がツボにはまった2つの話です。
ボケとツッコミ
銀河英雄伝説って馬鹿笑いとは縁がない話だと思われますが、何度も見ているとツボにはまって笑えるシーンが見つかります。実はナイスな「ボケとツッコミ」という漫才が楽しめたりします。漫才が見られるシーンは『第32 武器なき戦い』です。
帝国は自由惑星同盟が占拠する要塞を攻略するために既存の要塞をワープさせました。この時の『ムライ』と『シェーンコップ』の話が漫才です。
ムライ:帝国は新しい技術を開発したとみえる。
シェーンコップ:別に新しい技術という訳でもないさ。スケールを大きくしただけで…
このやり取りがはっきり言ってボケとツッコミの漫才です。面白いですので何度も見て下さい。
ガイエスブルグ要塞のワープ
先程のボケとツッコミのネタとなった要塞のワープですが、これを発案したのが『シャフト技術大将』です。『第28話 肖像』では新技術の発明が停滞しているらしく、名誉挽回のために既存の要塞にワープエンジンを取り付けて、敵の要塞まで移動させるという提案をします。
このワープエンジンを使って巨大要塞を動かすことが「苦し紛れに巨大なものを作ってみました」というオチです。
現実世界でもイノベーションと言われる物がありますが、多くは既存技術を単にスケールアップした技術であり特に新規性があるわけではありません。この皮肉が込められた内容でもあります。
活躍するのは現場力
上層部は大口を叩くが、実際は現場での尽力でうまく動かしています。要塞のワープも実は現場の力で実現されています。『第29話 細い一本の糸』では「複数のエンジンを同調させるのが難しい」と現実のエンジニアなら納得できる話でもあります。
ワープの実験をする時に先程の『シャフト技術大将』は要塞への同乗を拒否したみたいですが、上から乗るように言われています。これって、昔の大砲を作った職人が試射の時に横に立つというのと同じです。最強の品質保証のテクニックだと思います。ジェットコースターのエンジニアも一番最初に乗る人間だと言われています。
銀河英雄伝説的には色々なネタを仕込まれ、最後は捨てられる「ガイエスブルグ要塞」ではありますけど。