『銀河英雄伝説』というアニメは120話と非常に長いものです。これだけ長いと、実際に起こった出来事に似た話も多く出てきます。今回はタイトルの通り、実際に起こった『フォード・ピント事件』と銀英伝の『ヴェスターラント虐殺』を紹介します。
ヴェスターラント虐殺
『第23話 黄金樹(ゴールデンバウム)は倒れた』で出てくる虐殺です。詳細は原作やアニメを見てもらいたいですが、ざっくりと書いてみます。
貴族たちの一部がクーデターを起こします。その貴族に対して『惑星ヴェスターラント』の民衆は反抗します。そこで、貴族は核兵器を使ってその惑星を攻撃しようとします。
国としては、核攻撃の情報を事前に察知することが出来たが、わざと見過ごします。理由としてはコストパフォーマンスが高いからです。 貴族たちがヴェスターラントの民衆を核攻撃したという事実が広まれば、貴族に対する怒りが高まり内乱が早く終わるためです。
もし、核攻撃を事前に阻止していたら戦争は長引き、ヴェスターラントの核攻撃で死んだ人より多くの犠牲が出るとの計算です。
もちろん、劇中ではその葛藤が描かれており、国のリーダーは悩まされます。後にはリーダーは暗殺されそうになりますが、その犯人から「ヴェスターラントの怒り」と言われうろたえます。理屈で考えればコスパは良いが、一生悩まされる決断でもあります。
フォード・ピント事件
ヴェスターラント虐殺はフィクションですが、それと似た「フォード・ピント事件」は事実です。
フォード社のピントというクルマには欠陥がありました。後ろから衝突されると燃料タンクから出火して車全体が燃えてしまうというものでした。
その時のフォード社の判断としては
「回収して直すより、事故が起こったときに遺族補償したほうが安い」
というものでした。この話が外部に漏れたため大問題になりました。
当然、コスパは良いですが、フィクションのヴェスターラントと同じで、知っている問題をわざと見過ごしています。
まあ、銀英伝でヴェスターラントの恨みで暗殺した人も、フォードピントの事故で家族が死んだのであれば同じことをすると思います。
コスパというと凄く軽い言葉に聞こえますが、フォードピントやヴェスターラントのことを考えると非常に重いのではと考えます。
是非、このことについて考えてみて下さい。