自転車やバイクなどの本格的なDIY整備メカニックから見ると『Kure 5-56』はあまり良い目で見られません。それどころか積極的に5-56を排除する流れもあります。そう、5-56は良く分からない素人が使うケミカルと言う認識です。
確かに5-56のオイルをチェーンに使うとすぐに油膜切れを起こします。雨にも弱く、封入されているベアリングのグリスを洗い流してしまう欠点もあります。しかし、それは単に間違って使っているだけです。
チェーンに関して言えば、オートバイのようにグリスがシールされたチェーンに使うのは悪いです。また、低排気量のシールされていないオートバイに使った場合も高速回転で5-56のオイルが飛ばされて潤滑不足を起こします。だから、オートバイのチェーンに関しては使えないという事です。
自転車の場合は基本的に使えます。ロングツーリングをせずに近場を通勤で使っている人には5-56は最適です。一週間に一度、5-56をチェーンに噴射して、流れ出た油をふき取ってください。
大雑把に5-56が使える場所は、グリスが封入されていない軸受けなどです。日常で使う自転車、ドアのヒンジ、低速で動くきれいな環境の歯車などです。他には、電気の接点や後でグリスを封入することを前提にした清掃などです。
固定ギアのピストには5-56が役立ちます。チェーンとチェーンリング、そしてコグ(スプロケット)の汚れは5-56できれいにできます。
パーツクリーナーを使うという方法もありますが、パーツクリーナーだけだと最終仕上げに不満があります。どれだけふき取っても黒く残ってしまいます。5-56を使うと最後にふき取ればきれいな金属の面が出ます。
一週間程度乗ると軽くチェーンの油汚れがスプロケットやハブに付着します。この場合に「パーツクリーナー」を使うと総合的にきれいにはなりますが、うっすらと黒い感じが残ります。
可能かなぎりパーツを分解して、5-56を吹き付けます。そのあと、ウエスなどの布で拭きあげてください。
コグ(スプロケット)にも5-56を吹き付けて、拭いてください。注意点としてはハブのベアリングに5-56が入らないように気を付けてください。 フリーギアの場合もフリーの内部に入らないように注意してください。
これで、チェーン周りがきれいになります。チェーンはライド後に5-56をしみこませたウエスでチェーン表面を拭きあげてください。強力に洗浄する場合は5-56をチェーンのコマに吹きかけて中の汚れを溶かしだしてください。そのあと5-56でも十分チェーンオイルとして使えますが、より高性能なものを使っている人はそれをチェーンに注油してください。何度か行えば5-56は洗い流されると考えます。
最後に5-56はホームセンターやスーパーなどで安く売っているので大量に使っても経済的です。冒頭でも言いましたが、DIYの意識高い系からは嫌われるケミカルですが、理解して使えばここまで良い物は無いと考えます。自転車の清掃や力のかからない部分への注油は十分と考えます。