電気自動車で有名なテスラ社は色々な原因で株価を下げています。一つは『マスタープラン3』で安価な新モデルの発表を控えたことです。次に、走行中にハンドルが外れたという問題です。どちらも大きな問題とされていますが私は問題は無いと考えます。新モデルの発表が無かった話は後述しますが、テスラは自動車にこだわっていないからだと考えます。ハンドルの脱落の話も一時的な問題であり対策はされると考えます。どちらも恒久的で深刻な問題という認識です。
マスク氏が例えで出したオーチスエレベータ
テスラの自動運転に関する責任についての反論をした時に、イーロン・マスク氏はエレベーター大手のオーチスエレベーターの話を出しました。ここでどうしてエレベーターなんだと言われそうですが、マスク氏はエレベーターのような移動手段を道路でも提供しているのでは無いかと考えます。
エレベーターはクルマとも鉄道や飛行機とくらべて地味です。乗車する「カゴ」も意匠的には醜いです。しかし、人や物を快適に届けるというサービスは提供しています。このエレベーターのように見た目は悪くても確実にサービスを提供することを考えていると予想します。
今のオーナーカーや飛行機や鉄道のようなワクワクは提供せずに、確実なる移動手段を人々は求めていると考えます。
オーナーカーがなくなればエネルギー効率は上がる
正直に言うと、私の下手くそな運転より自動運転のほうがスムーズでエネルギー効率は高いです。
ほとんどの人のクルマは移動している時間より、駐車場で眠っている時間の方が高いです。これを自動タクシーにすれば一人あたりの台数も減らせて、一台の車両を効率よく使えます。更に、事故も少なくなるので資源の無駄使いもなくなります。
貨物車は無人運転で拠点から拠点まで配送できます。家庭や事業所の受け入れハードウェアが整えば自動配送も可能です。
複数の車を隊列を組んで走行させれば空気抵抗も減らすことができ、さらなるエネルギーを節約できます。
車両もデザインや運動性能重視ではなく、リサイクル性を高めることができます。これによってバッテリーの回収の効率が上がります。
正直「ファントゥードライブ」という考えはなくなりますが、世間が求めているのは運転の楽しみより、単に移動手段であると考えます。だから、オーナーカーを廃止することはニーズにも対応でき、エネルギーも節約できることだと考えます。
テスラは自動車にこだわらない
当初、テスラが高級スポーツカーを作ったのは現実的な資金集めだとしています。今もセダンやSUVを作っていますが高価格帯のものです。これらも富裕層にテスラを買ってもらうことによる資金集めです。
テスラは自動運転を研究しています。そして、他社よりリードしています。この技術をテスラは一般の方々に「オーナーカー」じゃなく「モビリティー」を提供するために活かすと考えます。だから、テスラはオーナーカーの普及という意味ではこだわっていないと考えます。
実際、マスタープラン3では「テスラはエネルギー企業」と発言しています。効率よくエネルギーを使い人々にモビリティを提供していくのがテスラだと考えます。
トヨタ自動車はバッテリーという資源を電気自動車に集中するより、ハイブリッドカーに分散したほうが全体のエネルギー効率は上がるとしています。しかし、この考え方は「全員にオーナーカーを提供する」ということが前提です。
テスラは、電気自動車を多くの人でシェアしてバッテリーの資源を分散するという考えです。だから、テスラは自動車自体にはこだわらない企業になると考えます。
太陽光でも化石でも燃料を効率よく電気に変換する。パワーグリッドの中で余っているエネルギーを融通し、出来るだけ少ない自動タクシーを稼働させて少ないエネルギーで稼働させて地球環境を守る会社だと考えます。
テスラのマスタープラン3の発表は一般投資家を落胆させたとしています。しかし、これはテスラをオーナーカー製造企業だと考えているからです。この考えは間違えだと考えます。
テスラはエネルギー企業として省エネルギーとモビリティーを提供する会社に変わっていくと考えます。